2017年8月の東電への質問と回答
東京電力本社への毎月第一水曜日(原則)の抗議行動が、続いて、8月2日(水)で47回目となりました。この抗議行動は、たんぽぽ舎と経産省前テント広場との共催で、福島原発事故に対する東京電力の責任を追及することに賛同する全国からの162団体の支援で続いています。『反原発自治体議員・市民連盟』も最初から賛同して参加、申しいれ行動にも参加しています。近頃は質問書に対し、東京電力から回答を受けています。
7月5日の申しいれ書は、7月1日に社長の交代があったことに気がつかずに、前社長の廣瀬社長宛で出してしまいました。そのためではないようですが、回答がこなかったので、8月に再び同じ内容の質問書を渡しました。
その後、東京電力担当者から、「7月26日に送ったが届いていませんか」との問い合わせがありました。原因は分かりませんが、どこかに手違いがあったのだと思います。その後、7月分の回答が届きました。8月も同じ質問なので、この回答で、よろしくとのことでした。
質問
2017年8月2日
東京電力株式会社 社長 小早川智明 様反原発自治体議員・市民連盟共同代表
佐藤英行 野口英一郎 福士敬子 武笠紀子福島第一原発事故の責任を果たし、全原発を直ちに廃炉にすることを求める。
7月5日の質問書では、社長のお名前を間違えてしまい、大変失礼いたしました。そのためか、お返事をいただいておりませんので、再度、同じ質問とさせていただきます。 放射能で汚染された福島及び東北・関東の自治体住民が、放射能の心配のない安全な暮らしができるように確実な補償と賠償を求めるとともに、二度と福島のような悲劇を繰り返さないために、貴社・東京電力の所持する全ての原発17機を直ちに廃炉にし、核燃料(使用済みも使用途中も)の安全な保管と管理を始めるよう要求する。
6月7日付け質問へのご回答ありがとうございました。
しかしながら、ご回答は、新潟県および日本国民の放射能災害に対する安全を保障するものとは思えません。稼動していなくても危険な原発施設ですので、存在そのものが心配です。先日、また北朝鮮からのミサイルが日本海に落ちました。政府は、国民にミサイル落下に備えるようにと、テレビ等を使って広報しています。以下の質問に回答を求めます。【原子力発電所についての質問】
Q1:Jアラートが使用されると、列車等は停止するときいている。柏崎・刈羽原発および福島第一・第二原発では、どのような体制をとると決めているか?
Q2:ミサイルが原発周辺に落下すると予測された場合は、どのように対処するのか?周辺自治体・住民への連絡は?原発の従業員の避難体制は?
Q3:ミサイルが原発に直撃した場合、どの位の衝撃まで耐えられるかの強度計算はされているか?
Q4:近頃、日本列島で頻発する地震(今のところ震度5クラス)について、福島および新潟近辺での大地震・大津波への備えは出来ているか?福島第一に大津波対策の防波堤が無いが大丈夫か?柏崎・刈羽原発の再稼働について、原子力規制委員会への申請を取り下げ、大地震・大津波に備え、テロにも警戒し、ミサイルの落下にも耐えられるように備えて、福島第一原発・第二原発とともに、安全な廃炉を進めるように要求する。
回答
2017年7月26日
反原発自治体議員・市民連盟
共同代表
佐藤英行様 野口英一郎様
福士敬子様 武笠紀子様当社福島第原子力発電所の事故により、立地地域の皆さま、さらには広く社会の皆さまに 大変なご迷惑とご心配をおかけいたしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。
2017年7月5日付けでいただきましたご質問につきまして、以下の通りご回答申し上げます。Q1:Jアラートが使用されると、列車等は停止すると聞いている。柏崎・刈羽原発および福島第一・第二原発ではどのような体制をとると決めているのか。
02:ミサイルが原発周辺に落下すると予測された囁合は、どのように対処するのか,周辺自治体・住民への連絡は,原発の従業員の避難体制は。
03:ミサイルが原発に直撃した場合、どの位の衝撃まで鮒えられるのかの強度計算はされているか。(回答)
ミサイル攻撃については、一義的には国家レベルの安全保障という広い立場から、外交的・政治的努力により防止することが重要と認識しております。
発電所の具体的な警備体制については回答を控えさせていただきますが、当社では日頃より原子力発電所を含む電力設備全般についてパトロール等、保安対策を実施しております。
また、米国同時多発テロ以降(2001年9月11日)より迅速に対応すべく、態勢を強化・継続しています。
今後も引き続き情勢を注視し、関係当局との連携強化を図り一つ、関係箇所に注意喚起を行い、当社としてできる限りの対策を請じてまいります。04:近頃、日本列島で頻発する地震(今のところ震度5クラス)について、福島および新潟近辺での大地震・大津波への備えは出来ているか,福島第に大津波対策の防波堤が無いが、大丈夫か。
(回答)
前回、回答させでいただいた通り、基準を大きく上回るような地震や津波により、恒設設備の設計条件を万一超えるような不測の事態が発生した場合でも、電源車や消防車などの可搬設備を用いた機動的な対応によって、炉心損傷や格納容器破損といった過酷事故を防止するような安全対策を講じております。
なお、福島第一原子力発電所については、東北地方太平洋沖地震の影響により発生しやすくなっていると専門家が指摘しているアウターライズ津波対策として、重要な設備が設置しである海抜10m地盤への浸水を防止するため、2011年6月末に敷地南東部に最大海抜約14mの仮設防潮堤を設置しています。以上
扱い:東京電力ホールディング株式会社 立地地域原子力センター
*福島第一原発には、堤防が無いとの話を聞いていたので、「質問」としたのですが、東京電力からの回答には仮堤防が造ってあるとのことでした。そこで、東京電力のホームページで確認しました。ホームページには、確かに土嚢を積んだような堤防の写真があります。
その後、再稼働阻止全国ネットワークの方から、この仮堤防についての情報を教えていただきましたが、東京電力には、本格的堤防を造る予定は無いようです。