四国電力への申しいれ行動(12月2日)の報告

 四国電力が12月2日(木)に、伊方原発3号機を再稼働させました。現地での抗議行動に呼応して、東京でも四国電力の東京支社へ申入れ行動を行いました。「再稼働阻止全国ネットワーク」と当連盟の2団体による行動です。大手町の東京支社の担当者に渡して、本社へ届けるように依頼しました。その後、「さよなら原発1000万人アクション」主催の国会前での伊方原発再稼働抗議集会に参加して、四国電力への申入れ書の概略を読み上げて、アピール行いました。

2021年12月2日

四国電力株式会社
取締役社長 長井啓介 様

伊方原発3号機を直ちに止めてください。安全対策を住民に示すことを求めます。

 貴社四国電力は、長期間の停止が続いていた伊方原発3号機の運転を、本日12月2日に再開しました。度重なる不祥事で再稼働が遅れていたところ、周辺住民への充分な説明も、安全対策も示されないままの再稼働で許せません。
 伊方3号機は,2018年10月の再稼働以来、多くのトラブルを起しました。
(1)2019年8月、原子炉補助建屋でポンプ点検中、ポンプの弁の操作ができなくなる。
(2)2019年9月、原子炉補助建屋地下の放射線管理区域で、緊急時に冷却水を原子炉に供給するポンプから発煙。
(3)2019年9月、テロ対策施設の工事中、クレーンでつり上げた鉄筋が荷崩れし一部落下。
(4)2019年12月、定期検査で停止中の2020年1月、広島高裁による運転差し止め仮処分決定。
(5)020年1月、制御棒を誤って引き抜く。
 さらに本年7月には、宿直中の社員が無断外出した保安規定違反が発覚し、原子力規制委員会から、安全対策の徹底が求められていました。
 一方、本年11月4日、広島地裁は伊方3号機の差し止めを認めない不当な判決を出しました。住民側は即時控訴しましたが、この判決では「電力会社の想定を超える地震があるという危険性を住民が明らかにする必要がある」と立証責任を住民側に課しています。これまでの立証責任を国に課した、伊方1号機についての1992年10月の最高裁判決はもとより1、従来の判例にも明らかに違反するもので、到底認められるものではありません。
 11月19日愛媛県の中村知事は、四国電力の長井社長と面談し「専門家会合や現地視察などで検証した結果、取り組みは妥当であると判断し了承する」と、再稼働を認めましたが、貴社四国電力が実施して、知事が妥当だと認めた「安全対策」については、住民には知らされないままです。
 私たちは、貴社四国電力に対し、伊方原発の廃炉を求めます。中央構造線の間近に立地し、大地震くると予想されている伊方原発に『安全な稼働』はあり得ません。知事は原発の再稼働を了承しましたが、大地震を止めることはできません。原発は稼働していなくても核燃料があるだけで大地震の際には危険ですが、稼働していれば間違いなく東京電力福島第一原発のような過酷事故につながります。11月30日には、使用済み核燃料の乾式貯蔵の施設建設が始まったとの報道がありますが、伊方原発現地にこれ以上の使用済み核燃料を増やす伊方3号機の稼働を直ちに止め、不祥事についての対策も含め、貴社四国電力が取り組んだという「安全対策」を住民に明らかにしてください